セキュリティトークンでtZEROトークンって凄いらしいけど、どの程度まで価格が上昇すると考えてよいのだろう?
tZEROの親会社が決算を発表している時の資料に詳細が書かれているので、それを確認してみよう。
すると、おおよそ予想できちゃうもんなんだ。
ということで、tZEROの親会社のOverstockの2018年4QのEarning calls(決算報告会)資料より算出します。
結論:最大で1トークン辺り55.9万円くらいまで値上がりする可能性があり、20/2/17時点の価格181円に対して3092倍のリターンが期待値の最大と考えられます。他の仮説も含めて表2にまとめたので確認してみてください。
下に詳細の計算方法を載せておくので、確認してください。
目次
トークン化される可能性のある市場の規模
tZEROが狙う市場とは下記3つです。(簡易計算のため$1=100円とします)
(1)Equities(株)44兆ドル=4,400兆円
(2)Bonds(債権)247兆ドル=24,700兆円
(3)Real Estate(不動産)217兆ドル=21,700兆円
トータル50,800兆円
この額は日本の国家予算が年間100兆円に対して508倍なのでとても大きな市場だとわかります。
ちなみに、最も規模の大きい債権市場の今後の市場動向についても調査しています。(結論だけお伝えすると今後も拡大していくことが予想されますので、市場拡大によってtZEROのビジネスも拡大すると推定される) 債権市場の今後の動向
トークン化されることで最もインパクトが大きいのは債権市場で次に不動産市場が大きいので、そういった市場がトークン化されてくるとセキュリティトークン市場が一気に盛り上がってくるだろうね。
ちなみに不動産市場が最も早くトークン化が進みそうですね。たくさんの不動産のプロジェクトが STO に名乗りを上げています。
取引所の価値
表1は世界各国の取引所に上場している株の時価総額の合計とその取引所を運営している取引所の価値(取引所の時価総額)を示しています。
a.取引所の時価総額はb.その取引所に上場している企業全ての時価総額合計の割合で0.18%が平均である。
表1 取引所の価値
No | 主要な取引所名 | 本社のある国 | a.取引所の時価総額(兆円) | b.その取引所に上場している企業全ての時価総額合計(兆円) | a/b |
1 | ニューヨーク証券取引所 | アメリカ | 4.15(32.1%) | 2852.8 | 0.15% |
2 | NASDAQ | アメリカ | 1.32(10.2%) | 1085.7 | 0.12% |
3 | TMX Group | カナダ | 0.3 | 209.5 | 0.14% |
4 | Euronext | フランス | 0.37 | 337.9 | 0.11% |
5 | ドイツ取引所 | ドイツ | 2.31 | 173.8 | 1.33% |
6 | 東京証券取引所 | 日本 | 0.9 | 567.9 | 0.16% |
7 | ロンドン取引所 | イギリス | 1.9 | 376.7 | 0.50% |
8 | B3取引所 | ブラジル | 0.949 | 93.8 | 1.01% |
9 | ボンベイ証券取引所 | インド | 0.059 | 205.6 | 0.03% |
10 | インド国立証券取引所 | インド | 0.655 | 203 | 0.32% |
合計 | – | 12.913 | 6106.7~7300 | 0.18% |
ちなみに、NASDAQについて1.32兆円が妥当な数字なのかを計算していますので、良ければ確認してみてください。 NASDAQの時価総額の確からしさ
ブロックチェーンを使った取引所の価格の期待値(tZEROトークン価格)
①50800兆円 x ②0.18% (0.0018)=91.44兆円
もし、tZEROが全ての証券や債券などの取引を扱った場合の時価総額は91兆円です。
ここで、91兆円とは既存の世界に存在している株と債権と不動産のトークンをtZEROに上場できたらtZEROの時価総額は91兆円になりますが、すべてのトークンを1社で扱うことは現実的に不可能です。
そこで、仮説を立てます。
例えば、tZEROがニューヨーク証券取引所レベルになった場合、先ほどの表1からニューヨーク証券取引所が世界の取引所の価値の中で占める割合は4.15/12.913=32.1%です。
91兆円 x 32.1%=29.35兆円
よってもしtZEROがニューヨーク証券取引所クラスの取引所になれば、tZEROの時価総額は29.35兆円になります。しかし、ここで忘れてはいけないのはtZEROはATSを運営している会社です。
そのため、時価総額の大きな会社はtZEROではなく、全てBSTXに上場します。
よって、29.35兆円はほとんどBSTXの時価総額と言っていいと思います。
なぜなら時価総額の大きな企業は小さな取引所のATSではなく、大きな企業を取り扱うNational Securities ExchangeのBSTXの方に上場すると考えられます。よってtZEROよりもBSTXの企業価値の方が大きくなるわけです。
そして、tZEROはボストン証券取引所とBSTXの株を50%ずつ持ち合っているわけですからBSTXの企業価値の半分の権利を得ていることになります。よってまず得られるtZEROの企業価値はBSTXの半分の企業評価額を得ることになりますので、2で割る必要があります。
29.35兆円 / 2 = 14.67兆円がtZEROの時価総額となります。
次に、これを1トークン辺りの価格に変換します。
その時に使うのはtZEROトークンの発行枚数です。発行枚数は2622万トークンです。link
14.67兆円/2622万= 55.9万円
計算すると、1トークン辺り55.9万円となります。
今の価格をみてみると$1.81です。これは181円(20/02/09時点)
なので、55.9万円/181円=3092倍 のリターンが見込めることになります。
1万円投資すると3092万円になるなんて夢みたいな話ね。
しかしながら、過去のアメリカの株の中には1000倍以上のリターンを得られた銘柄もいくつかあるからそんなに驚くほどでもないんだ。
アップル株 最安値$0.090 (1983/11/4)⇒ 現在価格$172.17(2022/1/7) 1,913倍のリターン
アマゾン株 上場後すぐ$1.73⇒現在$2079 1201倍のリターン
アメリカ株は可能性が大きいことはわかったんだけど、まだしっくりこないのよね。
他にも想定されるシナリオはないの?
いいことに気づいたね。
他の仮説も表2にまとめてみたのでチェックしてみてね。
表2 tZEROの価格予想値と期待値とリターンまとめ
仮説 | 内容 | 市場の割合(%)※1 | 取引所価値の割合(%)※2 | tZEROトークン価格(円) | 現在トークン価格(円) | リターン(倍率) |
仮説1 | 株+不動産+債権のニューヨーク証券取引所レベル | 100.0% | 32.1% | 559,730 | 181 | 3,092 |
仮説2 | 株+不動産+債権のNASDAQレベル | 100.0% | 10.2% | 177,858 | 181 | 983 |
仮説3 | 株のみのニューヨーク証券取引所レベル | 8.7% | 32.1% | 48,697 | 181 | 269 |
仮説4 | 株のみのNASDAQレベル | 8.7% | 10.2% | 15,474 | 181 | 85 |
※1株のみとは①で記載したようにトークンに置き換えられる市場が3つありまして、そのうちのどの市場を取れるか不明確でしたので、割合を別に計算してみました。
(1)Equities(株)$44兆=4,400兆円 (8.7%)
(2)Bonds(債権)$247兆=24,700兆円(48.6%)
(3)Real Estate(不動産)$217兆=21,700兆円(42.7%)
トータル50,800兆円 (100%)
※2ニューヨーク証券取引所とNASDAQでそれぞれ世界全体に占める割合は32.1%と10.2%なので、その割合をかけています。
さて、この仮説を見てどう思われたでしょうか?
tZEROがどれだけの可能性を秘めているのかをご理解いただけたかと思います。
ちなみに、ここには記載していない絵画市場(10兆円程度)や私募市場(170兆円程度)は債権市場や不動産市場に比べても2桁以上小さいため、トークン化されることによる影響は小さいです。なので、tZERO投資家として応援すべきは債券市場や不動産市場のトークン化です。
(我々としてはFacebookやMicrosoftなどの会社の株がトークン化されると聞いた方がわかりやすいのですが、そうではないということもここで覚えておいてください)
ベンチャー企業の投資のリターン見込みについては配車サービスのリフトのIPOまでの株価の推移を示しています。シードで投資されていたら4452倍のリターンが得られていることになります。
ちなみに、IPO後もずっと持ち続けていると今現在の価格はIPOの価格から10分の1になっているので、今の結果だけ見るとリフトはシードで投資し、IPOで利確できていれば、4452倍のリターンが得れたようです。リフト株価
まとめ
tZEROが予想通りプロジェクトが進めば、3092倍までのトークン価格が増加する可能性がある。
この額を大きいとみるか小さいとみるかは人それぞれだと思います。ビットコインのように1万倍以上を夢見ている方からすれば小さいと思われるかもしれません。
しかし、上記にも載せましたようにIPOで大きく話題を集めたリフトでも4452倍が最大ですので、tZEROの3052倍とは株式投資市場ではとても高い期待値を持っていると判断してもよいかと思います。
なお、これは筆者の個人的な推測であり、投資助言ではありませんので、投資される際はご自身の判断でよろしくお願いします。
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